染色法の違いによる、
大島紬の種類を知る。
本場大島紬は、長い歴史を経ながら新しい研究技術の開発により、染色別で次のように分類できます。上の写真は右から黒大島、白大島、藍大島、色大島。屋久杉や月桃の草木染大島です。
1:泥染め大島紬
泥染めは、テーチ木(車輪梅)の煎出液のタンニン酸色素と泥土中の鉄塩類によって染織する大島紬独特の伝統技法。光沢を抑えた深い黒色と艶があり、泥大島特有の「島の濡れ羽色」と言われています。
2:泥藍染め大島紬
植物藍で先染めした絹糸をさらに泥染めし、泥染めの地糸に絣糸を交互に織り込み絣部分が藍色を主体にした大島紬、泥染めによりさらに深みをました黒色の藍絣。また、泥染め特有のしなやかな風合いがあります。
3:正藍大島紬
地色を植物藍で濃紺色に染色してあり、かすり文様の色は淡い藍色が特徴です。
4:色大島紬
化学染料を用いて染色した大島紬です。戦後、明るく派手なものが要求されるようになったことから、伝統的な絣加工技術の中に、流行にマッチした近代感覚を取り入れられました。バラエティーに富み、現代風にアレンジして開発された大島紬です。
5:白大島
白の糸に絣文様を入れた爽やかな印象の紬です。ベーシックな泥大島にない明るくおしゃれな感覚があります。
6:草木染め大島紬
山野の植物から抽出した色素で染色。天然染料ならではの微妙で優しい色調が見直され、彩りも多彩な大島紬です。
■引用・参考文献:
「大島紬の源流を探る」 南方新社/著:西之園君子